平成28年分の扶養控除等(異動)申告書からマイナンバーの記載が必要です
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今年の年末調整の実務では、従業員に平成27年分の「保険料控除申告書」とともに平成28年分の「扶養控除等(異動)申告書」を渡して記載してもらうことが一般的です。 「扶養控除等(異動)申告書」には、新たにマイナンバーの記載欄が設けられています。
平成28年分の扶養控除等(異動)申告書からマイナンバーの記載が必要です
2015年10月21日
年内でもマイナンバー取得が認められる
税務関係書類等へのマイナンバーへの記載は、原則として制度開始の平成28年1月以降になりますが、 実務を考慮し、年末調整の機会を利用して年内(平成27年中)に、 従業員から「平成28年分の扶養控除等(異動)申告書」 (以下、扶養控除等申告書)を提出してもらう場合には、 従業員本人とその扶養家族のマイナンバーを扶養控除等申告書に記載してもらう (企業がマイナンバーを取得する)ことが認められている。(図表1)
このように、平成27年12月以前であっても、給与所得者等の個人番号が記載された扶養控除等申告書の提出を受けても差し支えありませんが、 平成27年中のマイナンバーの取得は義務ではなくあくまで任意です。 個人番号を記載した法定調書等を行政機関に提出するまでに従業員からマイナンバーを取得すれば良く、 必ずしも平成28年1月の利用開始に併せて取得する必要はありません。
企業が、従業員からマイナンバーの記載された「扶養控除等申告書」を提出してもらうにあたって、 「利用目的の明示」 と「本人確認」が必要になります。
- 利用目的を明示する
- マイナンバーの取得に当たっては、この場合利用目的が「源泉徴収票作成事務のため」であることを、 社員へのメールや社内掲示板での告知などによって知らせます。
- 従業員と扶養家族の本人確認
- マイナンバーの取得に当たっては、従業員とその扶養家族の本人確認が必要ですが、 扶養家族については、従業員自身が行います。
- 従業員Aとその扶養家族(妻子)の本人確認の方法
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- 従業員が扶養家族の本人確認を行う
- 企業の担当者が従業員の本人確認を行う
従業員Aは,妻と子のマイナンバーを「通知カード」により把握(確認)し、「扶養控除等申告書」に記載します。 Aは、妻と子が本人であることを当然確認できるため、身分証明書等の身元確認書類は不要です。
Aは、会社に「扶養控除等申告書」を提出します。その際、担当者は、 Aの「通知カード」によってAのマイナンバーに間違いがないかを確認します。 一般的に、従業員は入社時に本人確認をしていることから、担当者の知覚によって身元確認 (A本人であることを見て判断)できることから、これで本人確認が終わります。(身分証明書等は不要です)
電子的な方法で記載する場合
従来通り、用紙に記載してもらう方法のほか、給与計算システムを利用して従業員本人がウェブ上で直接、 「扶養控除等申告書」にマイナンバーを入力して、番号確認のため、通知カードの写真データを一緒に送る方法もあります。
マイナンバーこぼれ話
- 本人へ交付する源泉徴収票や支払通知書等への個人番号の記載が不要に
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平成27年10月2日に、所得税法施行規則等の改正が行われ、特定個人情報の漏洩や滅失等の防止のため、 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(以下、番号法といいます)施行後の 平成28年1月以降も、 給与などの支払いを受ける方に交付する源泉徴収票などへの 個人番号の記載は行わないこととされました。 (個人番号が記載不要となる税務関係書類は以下のものです。)
なお、税務署に提出する源泉徴収票などには個人番号の記載が 必要ですので、ご注意下さい。
- 個人番号の記載が不要となる税務関係書類
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ただし、給与などの支払いを受ける方に交付するものに限ります
- 給与所得の源泉徴収票
- 退職所得の源泉徴収票
- 公的年金等の源泉徴収票
- 配当等とみなす金額に関する支払通知書
- オープン型証券投資信託収益の分配の支払通知書
- 上場株式配当等の支払に関する通知書
- 特定口座年間取引報告書
- 未成年者口座年間取引報告書
- 特定割引債の償還金の支払通知書